支援スタッフとその役割
研究室を構成するスタッフとその役割
私たちの研究室は、研究スタッフと支援・事務スタッフとで構成されています。
研究スタッフとしては、障害当事者を含め、社会に存在するバリアに対して自覚的で、様々な領域(障害学・教育学・心理学・社会学・支援技術論等)の専門性を有する人材が集まっており、それぞれの手法でバリアフリー研究に取り組んでいます。
その中では、障害当事者にとってのバリアの経験を思考の出発点にしながら、研究者同士で学問領域の垣根を越えた率直な意見交換と相互批判を行い、それを通じて研究の前提や背後仮説を常に問いなおしていくことで、質の高い研究成果の創出を目指しています。
専門的技能と障害支援の知識や経験を持つ多才な支援スタッフ
また、障害のある研究者の研究活動を支える支援スタッフの存在も、私たちの研究室の大きな特徴です。障害者が研究活動を行うに当たっては情報処理や移動、コミュニケーション等にまつわる様々なバリアが存在しており、そうしたバリアの存在はこれまで障害当事者主導のバリアフリー研究があまり進んでこなかった一因となっています。こうしたバリアを解消するための人的支援を行うため、私たちの研究室では研究領域に応じた専門的技能と障害支援の知識や経験を持った多才な支援スタッフが、障害のある研究者の活動を支えています。つまり、支援スタッフはいわば「バリアフリー研究のためのバリアフリー」を担う人材です。
バリアフリーの研究と実践の場
さらに、全学的な組織としての「東京大学バリアフリー支援室」とも密接に連携し、その意味でも研究活動と支援業務との補完的で相互協力的な関係が成立しています。このように、私たちの研究室における日々のバリアフリー研究は、実はそれ自体が1つのバリアフリー実践にもなっており、そこから新たな研究テーマの創出へとつながっていくことにもなるのです。
福島研のゼミの様子。研究者とその研究を支える障害支援の専門家である支援スタッフが集う。