研究室について
障害当事者の視点で人と社会のバリアフリー化を研究する
当分野では、視覚と聴覚に障害を併せ持つ盲ろう者としては世界初の大学教員である福島智教授を中心に、障害のある当事者研究者が主体となって、人と社会のバリアフリー化を目指して研究しています。
福島教授は自らの盲ろう者としての体験に立脚しつつ、人間にとってのコミュニケーションの本質、障害体験の意味などについて探求すると共に、現実の障害者支援制度のあり方についても研究しています。
全盲の石川准特任教授は、社会学、障害学の研究、支援工学の研究開発のほか、内閣府障害者政策委員会委員長として障害者権利条約に基づく障害者政策の国内監視の責任者を務めています。また、石川教授は国連の障害者権利委員会の委員にも選ばれ、各国の障害者権利条約の実施状況を監視する仕事にも従事しています。
同じく全盲の大河内直之特任研究員は、盲ろう者や視覚障害者の支援技術に関する研究をはじめ、バリアフリー映画や演劇の普及啓発、福祉のまちづくりの推進等、当事者の視点からバリアフリーに関連した幅広い研究に携わっています。
また、長年聴覚障害児やその家族と密接にかかわってきた児玉眞美特任研究員は、耳が聞こえない・聞こえにくい子どもたちの教育について実践的に研究すると共に、特に、0才から6才の聴覚障害児の言語獲得の支援、及びその保護者支援についての研究を展開しています。
この他、熊谷晋一郎准教授(肢体障害)の「当事者研究分野」と連携し、発達障害や聴覚障害の当事者研究者との協力も深めており、福島・熊谷両研究室は、世界的にも類例のない障害当事者研究の拠点を形成しています。
※2020年1月27日まで、「NHKワールド」のインターネットオンデマンドサイトで、福島教授が取材を受けた番組が見られます。
Direct Talk:A Society Where All Can Live Happily: Satoshi Fukushima
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2058437/
3号館の入口。緑豊かな、東大先端研の3号館が福島研の研究拠点。
TV局の取材を受ける福島教授。その言動には常に注目が集まる。